広島県 灰塚ダム


ダムというものは工事が完成すると一度目いっぱいまで水を貯めて、ダム本体や貯水池周辺で何か異常な現象が起きないか、慎重に調査されます。

これを「試験湛水(しけんたんすい)」と呼びます。

試験湛水では、最後に最高水位からのダム放流が行われますが、近年のダムでは最高水位に達するのは試験湛水の時とその次は200年に一度とかの大洪水ということになります。

ということは、事実上は最高水位からのダム放流は試験湛水の時一回限りということになります。

ですので、試験湛水のダム放流は貴重ですよね。

広島県で完成した灰塚ダムが最高水位になって放流を行うという情報が広島県のお友達から入ったので、急いでいってきました。和歌山から広島は遠いですねー。



一番上から水が溢れてますね。これは一回きりの光景です。

次にこうなるのは大洪水の時ですから、起きないほうが良いに決まってます。というか起きちゃだめ。

なんで大洪水でなければ一番上から水が溢れないのか・・・次の写真をご覧ください。



ダムの中腹にゲートが装備されていて、洪水のときはこのゲートから放流を行います。

ですので、一番上まで水位が上がる可能性が低いのです。

洪水調整というのは、流れ込む水よりも放流する水を少なくすることで、その差額は貯水池の水位上昇として現れます。

ですから洪水調整を行っている間は貯水池の水位が徐々に上がるので、ずっとそのままであれば最高水位になるのですが、そこまで継続する洪水はまず起きないのですね。

もしそんな洪水が起きるとすれば、100年に一度とか200年に一度という起きてほしくない災害になるのです。
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