熊本県 荒瀬ダム / 瀬戸石ダム


この数日、梅雨前線の活発な雨雲が九州南部地域に大雨を降らせているというニュースが流れていた。

九州南部、熊本県には父の実家もあるので、大きな被害が出ないように祈る気持ちとともに、数年後に撤去されるという荒瀬ダムの放流している姿は見ておきたいと思っていた。

ちょうどそのころ仕事が忙しくて、まあ今回の放流は見に行けないなと思っていたんだけど、1日だけ休みが出来た。

熊本へ遠征する日の前日のことだった。

休みが出来た以上、これは行くしかない。しかし翌日はもちろん仕事だし、忙しいのに穴を開けるわけにも行かない。私の住んでいる和歌山から熊本へ日帰りできる手段はただ一つ。飛行機だ。

天候が荒れているといっても、台風では無いので飛行機の運航には大きな影響は無いと考えた。

時刻表を調べると、朝の4時53分の始発の阪和線に乗れば、伊丹空港の熊本行き第一便に乗り継げることが分かった。早速、インターネットで空席を確認。少しだが空席があったので急いで予約を入れておく。

撮影機材の確認やら何やらで、ほとんど寝ないまま、朝4時。

軽い食事だけを取って、準備の最終チェックをしてJR和歌山駅に向かう。



何度か電車を乗り換えて、伊丹空港に着いた。搭乗予定時間にはまだ余裕がある。よかった。とりあえず荒瀬ダム管理所に電話を掛けて状況を確認した。早朝でさらに洪水で忙しいのに親切に対応していただき感謝。道路状況はひとつ上の瀬戸石ダムまで普通に通行が出来るらしい。一安心だった。

インターネットで予約した切符の代金を支払って本券と引き換え、搭乗手続き。今回は撮影機材が重要なので撮影機材は機内持ち込み荷物として持って搭乗した。熊本まで行ってカメラが無いでは意味が無い・・・



飛行機は滑走路へゆっくりと進む。エンジンの音が激しくなり急加速。この瞬間の加速度が一番好きだな。

飛行機はぐんぐん高度を増して雲の上に出た。空がまっ青だ。



あっという間に熊本空港に到着。空港のレンタカー窓口に急いで一番安い車を手配した。トヨタのヴィッツだった。

九州自動車道は八代から先、鹿児島県側は通行止めになっていたが、目的地は八代なので影響は無い。さっさと走る。ヴィッツはよく走る良い車だなあ・・・

八代インターで高速を降りて、荒瀬ダムを目指す。球磨川は高水敷まで増水している。

※高水敷とは、普段は河川公園や運動場に使われている堤防の内側の部分のこと。洪水のときは川になります。

車は球磨川沿いの国道を走る。

「このカーブを曲がれば荒瀬ダムが見えるはず・・・」

そこで見たものは想像していた姿とはまったく違っていた。もはやダムではなくただの堰・・・ゲート全開でフリーフローになってるし・・・

※フリーフローとは、ゲートを水面よりも上に引き上げて自由に水が流れるようにした状態。

川沿いにダムのすぐそばにまで続いているはずの遊歩道は川の中。聞けば毎秒5000トンを超える水が流れているらしい。

放流中の荒瀬ダム

荒れ狂う水の流れを見ていると吸い込まれそうになる。まあ、落ちたら死体も上がらないだろうなあ・・・

放流中の荒瀬ダム

ちなみに普段の荒瀬ダムはこんな感じ。

普段の荒瀬ダム

続いてすぐ上流にある瀬戸石ダムへ向かう。

事前に聞いた道路情報では、瀬戸石ダムより上流は道路が土砂崩れで無くなっているとのこと。

でもとりあえず瀬戸石ダムにまで行ければいいので、所々に転がっている落石に注意しながら、瀬戸石ダムへ車を走らせる。

瀬戸石ダム

瀬戸石ダムに着くと、また以前見た瀬戸石ダムとはまったく違う姿になっていた。ちなみに普段の瀬戸石ダムはこんな感じ。

普段の瀬戸石ダム

オレンジ色の矢印に注目すると、どれだけゲートが上に上がっているか分かると思います。

そうして撮影しているうちに帰りの飛行機の時間も迫ってきました。

帰りの飛行機は激しい乱気流でドリンクサービスがありませんでした。
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