ダム放流ギャラリー

更新:16/12/25

二津野ダム

取材は台風11号と21号に合わせて行いました。ゲリラ台風11号は紀伊半島南東斜面に大量の雨を降らせて熊野川の二大河川、十津川筋と北山川筋に大変激しい雨を降らせたため、北山川、十津川合流地点下流で堤防を越水して水害が起きました。地元の郵便局で聞いた話では伊勢湾のとき以来の増水ぶりだったという話です。普段の台風では十津川筋、北山川筋のいずれか片方で済むのですが、11号の時は両方の川で増水したのが原因でしょうか。

7門あるゲートが3m以上開いています。すさまじい大瀑布です。毎秒3200立方米です。どのくらいの量かよく分からないかもしれません。25mプールは450立方米入るので、1秒間に25mプール7杯を満タンにするという量です。1時間この放流をすれば25mプール2万5千杯を満タンにできます・・・
天端から下を覗き込む。吸い込まれそうです。ダム放流は凄いと思いつつも、水がもったいないなあと思うことしきりです。二津野ダムの有効貯水量1100万立方米ぐらいなので、この3200立方米の放流を1時間行えば有効貯水量とほぼ同じ量の水が通ったことになります。貯められたらいいのにナァ・・・そうすれば下流に被害を起こすことも無く水資源、電力の素として使えるんだけど、ダムの容量は限られてるから・・・
滝つぼの中はものすごいことになってます。ちなみに毎秒3200立方米の水をすべて発電に使うとすれば、ダム地点の落差は45mぐらいなので、水力発電の式 P=9.8x落差x水量(x効率)なので、9.8x45x3200=約140万キロワット・・・最新の原子力発電所に匹敵するパワーがあります・・・もっとも、洪水のときだけしか使えない発電所では実用にはならないんですが、水力の隠された力を垣間見ることが出来ますね。
これは毎秒700立方米ぐらいの放流です。台風21号の翌日です。この台風は十津川筋の増水はひどくありませんでしたので熊野川水系では被害は出ていないようです。(落石などは発生しましたが)
ふだんはこのように右岸側ゲートに内蔵されたバルブから河川維持用水を放流しています。中央のゲートは閉めるときになにか噛み込んだものだと思います。

豊稔池ダム


ダムというよりも西洋の城砦のようです。
大水量の放流とはまた違う魅力があります。
美しい・・・
放流しているところの真下まで近寄れます。



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